憲法審査会 第4号

2026年04月23日 | 衆議院 | 憲法審査会 | 第4号

出典元(国会会議録検索システム)
000 会議録情報

令和八年四月二十三日(木曜日)     午前十時開議  出席委員    会長 古屋 圭司君    幹事 鬼木  誠君 幹事 北神 圭朗君    幹事 新藤 義孝君 幹事 鈴木 英敬君    幹事 高階恵美子君 幹事 和田 義明君    幹事 國重  徹君 幹事 馬場 伸幸君    幹事 浅野  哲君       秋葉 賢也君    阿部 弘樹君       石井  拓君    石川 昭政君       石橋林太郎君    井出 庸生君       伊藤信太郎君    稲田 朋美君       大野敬太郎君    長田紘一郎君       加藤 勝信君    木村 次郎君       下村 博文君    高木 宏壽君       武部  新君    棚橋 泰文君       田野瀬太道君    土田  慎君       寺田  稔君    中川 貴元君       中山 泰秀君    葉梨 康弘君       星野 剛士君    細野 豪志君       丸川 珠代君    盛山 正仁君       保岡 宏武君    若林 健太君       若山 慎司君    有田 芳生君       泉  健太君    河西 宏一君       西村智奈美君    阿部 圭史君       池畑浩太朗君    西田  薫君       飯泉 嘉門君    玉木雄一郎君       川 裕一郎君    和田 政宗君       古川あおい君    畑野 君枝君     …………………………………    衆議院憲法審査会事務局長 吉澤 紀子君    衆議院法制局特別参与   橘  幸信君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十三日  辞任         補欠選任   大野敬太郎君     武部  新君   上川 陽子君     長田紘一郎君   本田 太郎君     阿部 弘樹君   豊田真由子君     川 裕一郎君 同日  辞任         補欠選任   阿部 弘樹君     若山 慎司君 同日  辞任         補欠選任   長田紘一郎君     上川 陽子君   武部  新君     大野敬太郎君   若山 慎司君     本田 太郎君   川 裕一郎君     豊田真由子君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(緊急事態条項に関する集中的な討議)      ――――◇―――――

001 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 これより会議を開きます。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。  本日は、緊急事態条項に関する集中的な討議を行います。  この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、まず、各会派一名ずつ大会派順に発言していただき、その後、各委員が自由に発言を行うことといたします。  それでは、まず、各会派一名ずつによる発言に入ります。  発言時間は七分以内といたします。  質問を行う場合、発言時間は答弁時間を含めて七分以内といたしますので、御留意願います。  発言時間の経過につきましては、おおむね七分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。  発言は自席から着席のままで結構でございます。  発言の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

002 新藤義孝
自由民主党・無所属の会

○新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。  本日は、これまでの審査会で各会派から述べられた意見を踏まえまして、緊急事態条項に関する集中的な討議を行いたいと思います。  先週、私からも緊急事態に関する主な論点を申し上げましたが、本日は、更に深掘りをして、全体像が浮かび上がるような整理をしたい、このように思っております。  まず、対象となる事態でございますけれども、私たちが検討している緊急事態条項では、大規模自然災害、テロ・内乱、感染症蔓延、国家有事・安全保障、この四事態と、これらに匹敵する事態、これを掲げております。  参政党の和田委員からは、感染症蔓延は人為的な発生の可能性もあり、これを含めた緊急事態条項には反対だという御意見もございました。  この五つの事態は、緊急事態の例示を示してあります。大事なのは、これらの事態の発生によって国政選挙の適正な執行が困難になる、これがすなわち選挙困難事態の発生でございます。したがって、感染症蔓延が例示に挙げられていても、あらゆる感染症蔓延が自動的に緊急事態になるわけではないというふうに考えているわけです。  参政党の皆さんとは、選挙困難事態における議員任期延長の必要性については認識を共有できる、このように思いますので、今後具体的な制度設計の議論を通して共通の理解を得られるように努力していきたい、このように思っております。  次に、選挙困難事態の認定の判断要素です。  これは、まず国政選挙の一体性が害されるほどの広範な地域という広範性の要件と、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期性の要件という二つがあります。  まず、広範性でございますが、そのポイントは、通常全国で一斉に行われるべき国政選挙の一体性とは何かに帰着をするわけです。  国政選挙の一体性の根本にあるのは、公平公正な選挙です。これは、憲法十五条四項の投票の秘密や、十四条一項と四十四条の平等選挙の背後にある、いわば不文の原則であります。この公平公正な選挙の原則に照らすと、繰延べ投票により投開票がばらばらに行われた場合、それが広範なエリアになればなるほど、またそれが長期にわたればわたるほど、後々の投票行動に影響を与えていくことが予想されます。公平さ、公正さが失われていくことになってしまうわけであります。  加えて、憲法四十三条一項では、国会議員は全国民の代表と位置づけられております。国政選挙が全国津々浦々の全国民の多様な民意を同じ時点で一斉に反映させることによって、地域的な偏差がなく、そして平等、公正に国会に反映させることができるというふうに考えるわけであります。  以上のように、選挙の一体性は、個々の国民の選挙権行使の大前提にあるものであり、選挙制度を支える重要な原則と理解をするべきだと思います。  この観点から、具体的にどの程度の広範性を想定するべきか、ここが今後具体的に検討すべきポイントだ、このように考えます。  次に、長期性の要件であります。  憲法五十四条二項に定める参議院の緊急集会をもってしてもどうしても対応し切れない相当程度の長期間にわたる選挙困難事態を想定し具体化していかなければいけない、重要な要件だというふうに思うわけであります。  参議院の緊急集会は、まず、条文の表現上は、解散の場合に限定されています。また、内閣による要求があった場合にしか開かれず、権限にも一定の制約がある、このように解されているわけであります。この参議院の緊急集会の法的位置づけを明確にしつつ、例えば、衆議院の任期満了の場合にも適用するか、また、具体的な日数、期間を明文化するか、こうしたことが今後具体化する際のポイントになる、このように考えています。  続いて、選挙困難事態の認定に係る国会承認の議決要件については、過半数か、三分の二以上の特別多数かという論点がございます。  現行憲法上、国会の議決要件は過半数で行うことが原則であり、三分の二以上の特別多数を定めているのは、衆議院による法律案の再議決、懲罰事犯の除名などの場合であります。いわゆる一院の議決に関する三分の二以上の特別多数であって、両院共に三分の二以上の特別多数が要求されるのは、唯一、憲法改正発議の場合だけなんです。  ですから、選挙困難事態はまさに両院の議決で判断するものであり、これのみを三分の二以上の特別多数とすることは、憲法の議決要件に関する考え方と異なることになってしまうわけであります。重要な判断ですからより慎重な議決要件とすべきという主張もあると思われますが、そもそも国会の二院で議決すること自体が重い判断であることを踏まえ、引き続き議論を深めたい、このように考えます。  また、選挙困難事態の認定に対する裁判所の関与については、憲法裁判所や最高裁判所のチェックを主張する御意見もございます。しかし、これらはいずれも、それ自体がまた別個の憲法改正項目となるものであって、引き続きの検討が必要だろう、このように思います。  私自身は、この選挙困難事態の認定とそれに伴う議員任期の延長については、緊急事態が解除された後の国政選挙によって最終的に国民が判断する仕組みになっています。内閣と国会による選挙困難事態の認定は、選挙という民主主義の最大の手続によって担保されるものというふうに考えておるわけであります。  さらに、任期の延長期間につきましては、半年あるいは一年を上限とすべきとの意見が出されております。東日本大震災当時、地方議員の任期が最大で八か月程度延長されていること、また南海トラフや首都直下地震も想定すると、やはり一年程度は必要ではないかと思われます。そして、事態が一年で収束しなかった場合の再延長、この可否も含めて引き続き議論が必要ではないか、このように思います。  衆議院の解散後に選挙困難事態に陥った場合に備えて、前衆議院議員の身分復活の道も確保しておかなければなりません。これにつきましては前回申し上げました。  なお、緊急政令、緊急財政処分の必要性についても意見が述べられています。どのような状況に陥っても、国家は民主的統治を前提に運営されていかなければなりません。しかし、あらゆる努力をしても国会機能がどうしても維持できなくなった場合、そしてそういった状況、この備えとして緊急政令と緊急財政処分の制度を整備しておくことは、各国の憲法においても多く採用されています。国と国民を守るための究極の備えとして、より具体的な議論を深めるべきと強く考えています。  以上、私なりの整理をさせていただきましたが、緊急事態条項については、本日の集中的な討議により、各会派より更に具体的な御意見が出されるものと思います。私としては、ここまで議論が、論点が深められたことに関し、現時点における緊急事態条項の議論をピン留めする意味でも、次回の審査会において何らかの具体的なイメージを明らかにしてはどうか、このように提案をさせていただきます。その内容につきましては、本日の討議を踏まえ、また今後筆頭間で協議をさせていただきたいと思います。  是非、各会派からも、次回の審査会で何らかの具体的なイメージを明らかにする、このことにつきまして御意見を頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上です。

003 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、國重徹君。

004 國重徹
中道改革連合・無所属

○國重委員 中道改革連合の國重徹です。  緊急時における国会機能の維持は、統治機構の根幹に関わる重要なテーマである一方、要件や制度設計に関して詰めるべき論点も少なくありません。私自身、前々回の憲法審査会において、この点を今後議論を深めるべきテーマの一つとして挙げました。また、前回の審査会においても、これを含む緊急事態条項について多くの意見が表明されました。  こうした点を踏まえ、まずは緊急事態条項について集中的に議論を深めていくことには賛同いたします。緊急時においても国会機能を維持することは極めて重要です。それは、単に立法機能を維持するためだけではありません。緊急時には政府に権限が集中しがちであるからこそ、その行使が適切な限度にとどまるよう、国民の代表機関である国会が行政監視機能を果たすことが必要であるからです。  そして、緊急時でさえそのような国会機能の維持が求められる以上、国民生活に広く関わる通常時において国会が本来有する立法機能や行政監視機能を十分に発揮することは、なおさら重要です。だからこそ、国会機能の維持という共通の問題意識の下、臨時会の召集期限や解散権行使の在り方、その制限についても併せて議論する必要があるのではないかと考えます。  私たち中道改革連合は、憲法施行時には十分に想定されていなかった課題が明らかとなり、その対応のために憲法改正が必要と認められるときには、改正の内容を真摯に検討していく立場です。これは、一九四七年の施行以来約八十年に及ぶ日本国憲法の運用の経験を踏まえ、維持すべきものは維持し、改めるべきものは改めるという姿勢にほかなりません。  その観点からすれば、臨時会の召集や解散権の行使といった日本国憲法に直接規定されている事項については、これまでの運用に照らして大きな課題があるのではないでしょうか。こうした課題の存在は、二〇二三年に日本維新の会や国民民主党などが臨時会の召集期限を明確化するため憲法五十三条に二十日以内と明記する改憲案を取りまとめたこと、また、自民党も二〇一二年草案で同様の改憲案を示したことなどからも明らかです。  その上で、後ほど我が党の委員が述べる緊急政令や緊急財政処分については党内でおおむね意見の一致が見られる一方、緊急時における国会機能の維持については議論を重ねているところです。  まず、対象とする事態について、自民、維新、国民の三会派は、大規模自然災害、テロ・内乱、感染症蔓延、国家有事・安全保障の四つの事態と、その他これらに匹敵する事態を挙げています。この点について、参政党から、感染症蔓延を対象とすることへの反対意見が示されています。また、チームみらいからは、事態ごとに、選挙の実施や国会機能の維持に生じる課題を具体的に整理すべきだとの意見がありました。  もっとも、これらの事態は、その他これに匹敵する事態という包括条項が設けられていることからも明らかなように、通常時の統治機構では対処できない事態の例示です。とすると、重要なのは、その例示された事態そのものではなく、選挙困難事態、つまり選挙の適正な実施ができなくなる事態の具体的要件、いわゆる広範性要件と長期性要件をどう定めるかという点です。したがって、この二つの要件をどのような内容にするかが合意形成のポイントになると考えます。  その際、選挙権の保障の重要性を踏まえつつ、必要な国会機能の維持とどうバランスを取るのかという視点で丁寧に議論を深めていくことが必要です。  まず、広範性要件については、これまで、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域といった抽象的な基準が示されてきました。しかし、その具体化は十分でなく、共通認識も形成されていません。選挙権という極めて重要な憲法上の権利の保障に関わるものである以上、どの程度の地域的広がりがあれば選挙の適正な実施が困難であると言えるのか、更なる議論が必要です。  また、長期性要件についても、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期であるとか、七十日間であるとか、様々な見解が示されてきましたが、具体的な基準は定まっておりません。そして、この論点は、参議院の緊急集会の射程、つまり、その活動期間や権限、対象案件をどう考えるかと密接に関わります。  この点、昨年六月十二日の当審査会における自民会派の意見として、当時の船田筆頭幹事は、長期性の要件については、従前は七十日間としていたが、参議院での議論も踏まえ、緊急集会の活動期間を厳格に限定するものではないことを明確にするため、相当程度長期間と改めた、七十日程度が目安と考えているが、必ずしもそれに縛られるものではない、また、参議院の緊急集会の機能拡充等については、参議院との調整も必要になることは言うまでもないなどと述べられています。したがって、前回申し上げたとおり、この問題については、参議院との関係も十分に意識しながら議論を進めていくことが重要と考えます。  さらに、これらの要件について、実際の被害や被害想定を踏まえて具体的に検討することも重要です。  加えて、広範性要件、長期性要件のいずれについても、緊急事態発生の時点における予見可能性が論点になります。すなわち、その時点で、事態がどの範囲にまで及ぶのか、いつ選挙を実施できるのかについてどの程度の確実性を持って見通すことができるのかという問題です。  例えば、そのような事態は絶対に起こしてはなりませんが、仮に万一、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した場合、その影響が及ぶ範囲や収束時期を事態発生時に見通すことができるのか。明確に予測できない場合には、ややもすれば、念のために議員任期を延長しておくという判断に傾くおそれがあります。だからこそ、制度設計に当たっては、要件の抽象性ゆえに運用が広がり過ぎることのないよう慎重な検討が必要です。  以上申し上げた点は、決して議論を遅らせるためのものではありません。むしろ、この問題を真摯に検討するのであれば、こうした課題を具体的に整理し、代表的な論点として共有しておく必要があるとの趣旨で申し上げたものであります。  参議院も含めた幅広い合意形成に向けて着実に検討を重ねていくべきであること、また我が党としてもそのための議論に真摯に取り組んでいく決意を申し述べ、私の発言といたします。

005 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、西田薫君。

006 西田薫
日本維新の会

○西田(薫)委員 日本維新の会の西田薫でございます。  前回の審査会で新藤筆頭幹事も述べられましたが、私からも、ある程度テーマを絞って具体的に議論をピン留めしながら進んでいく運営が不可欠だと申し上げました。そして、今回の審査会は緊急事態条項に関する集中審議ということで開催されましたことは、少し前進したものだと思います。  そこで、この緊急事態条項を中心に発言いたします。  まず、現行憲法の問題点を端的に申し上げます。  第一に申し上げたいのは、現在の憲法には、戦争や大規模災害、感染症の蔓延など国民生活と国民経済に甚大な影響が生じる事態において、どのように国会機能を維持し政治の空白を防ぐかという統治の根幹に関わるルールが十分に書き込まれていないという点であります。  衆議院の任期が満了するタイミングと選挙の実施が極めて困難となる事態が重なった場合、現行制度のままでは、国権の最高機関である国会がまさに参議院しか存在しないという事態が起こり得ます。参議院の緊急集会という制度はありますが、それは本来、暫定的かつ限定的な制度であり、長期にわたる国政運営を担うことを予定しておりません。  私たち日本維新の会は、二〇二三年に、国民民主党や衆議院会派有志の会とともに、緊急事態における議員任期の延長等について具体的な条文案を取りまとめてまいりました。そしてさらに、二年前の二〇二四年の通常国会末には、当時の自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の五会派で、選挙困難事態における国会機能の維持条項についての合意にも至っております。  そこで、私たちが重視しているポイントは三つです。  一つ目は、対象となる緊急事態を、武力攻撃、深刻なテロ・内乱、甚大な自然災害、感染症の蔓延。この感染症の蔓延につきましては、先ほど新藤筆頭幹事も参政党の和田先生の御発言に触れられてその思いを述べられておりましたが、その新藤筆頭幹事の思いと我々も全く同じであります。そういった中、国政選挙が広範かつ長期間実施困難な事態として、国民生活と国民経済に重大な影響が生じる場合に限定し、政治の都合による濫用を厳しく防ぐことです。  二つ目は、内閣の判断だけで白紙委任を与えるのではなく、国会の事前承認を原則とし、閉会や解散を禁止することで、議会の関与を強めるという設計にすることです。緊急事態だからこそ、行政権力の肥大化ではなく、立法府の監視とチェックを一層働かせる必要があります。  三つ目は、議員任期の延長や選挙期日の特例は、あくまで国会機能を維持するための、時間的にも内容的にも限定された措置とし、事態が収束した後には速やかに選挙を実施し通常の状態に復帰することとして、強い歯止めを明記することです。緊急事態条項に対する懸念を払拭する観点から、その濫用を防止するための考え方になります。  緊急事態条項というと、直ちに内閣の独裁や人権制限の一般条項を想起し、全面的に否定される御意見があることも承知をしております。しかし、私たちが目指しているのは、国民の権利や自由を包括的に制限する条項ではなく、むしろ、どのような場合に何ができ何ができないのかを明記することで権力の暴走に事前の枠をはめるという考え方です。  だからこそ、緊急事態の要件の限定、国会の事前事後の関与、期間の明確な上限、そして司法審査の対象であることを条文上できる限り具体的に書き込むべきだと考えております。何も書かれていないがゆえに解釈でいかようにも広げられてしまう状態を放置する方が、かえって国民の権利にとって危ういのではないでしょうか。  我が党は、時代や安全保障環境の変化に応じて、必要な改正は果断に行うべきだと以前より主張しておりました。既に、自民党との連立合意に基づき憲法改正条文起草協議会が設置をされ、具体条文の検討も始まっております。一方で、この憲法審査会では、前回でも申し上げましたが、抽象的な議論にとどまっているように思われます。  そこで、前に進めるためにも、憲法改正に向けた具体的なスケジュールについても申し上げます。  政府及び与党は、憲法改正を今任期中に実現したいと繰り返し表明してきましたが、国民から見れば、いつ、どの条文について、どのようなスケジュールで議論し、発議し、国民投票に付すのかが依然として不透明です。憲法審査会として、緊急事態条項の創設案を取りまとめ、いつ頃までに発議を目指すのか、年単位ではなく、例えば今年度中、来年の通常国会中と、もう少し具体的目標を示すべきだと考えます。  さらに、条文案のたたき台を作る場として起草委員会をこの審査会の中に設けることについて、各会派は賛成なのか、若しくは反対なのか、単に時期尚早とするのではなく、いつならば設置し得るのか、その議論の結論を得る必要があると思います。  その上で、国民の皆様にとっても分かりやすい形で、いつまでに何をどう変えるのかというロードマップを示すことが国会の責任であるというふうに考えております。  そこで、憲法審査会においても、具体的なスケジュール協議を加速していくことを強く求めます。  そして、先ほど新藤筆頭幹事から、今までの議論をピン留めして緊急事態条項に関する具体的なイメージを作ってはどうかという趣旨の御提案がありましたが、私たち日本維新の会も深く賛同するものであります。  そういった中、次回は緊急事態条項に関するこれまでの議論の取りまとめを行っていただくよう切に要望し、私の発言を終わります。

007 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、玉木雄一郎君。

008 玉木雄一郎
国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。  冒頭、今後の運営について二点提案したいと思います。  まず、この衆議院の憲法審査会に起草委員会を設置して、これまでの議論を経ておおむね意見の集約が図られた選挙困難事態における国会機能維持を可能とする憲法改正について、条文案作りに着手することを提案します。その際はいわゆる五会派案をベースとしていただきたいこと。よって、次回、我が党からも、この五会派案をベースとしたイメージを提出したいと思います。  次に、広く国民に議論を知っていただくために、NHK中継を是非お願いしたいと思います。  以上二点、会長及び幹事の皆様にお願いをしたいと思います。  その上で、先ほどもありました選挙困難事態の長期性、広範性についても、具体的な条文案をイメージして議論した方が国民にも分かりやすく伝わると思います。  というのも、各種のメディアのアンケートを見ても、いつも解像度が低くて、この審査会で全く議論が深まっていない論点について賛否を問うものも多いです。これまで衆参の憲法審査会でそれなりに議論の積み上げがあると言えるのは、衆議院では今申し上げた選挙困難事態における議員任期の延長、参議院では合区の解消ぐらいだと思います。  ちなみに、選挙のたびにメディアから、憲法改正に賛成ですか反対ですかという政策アンケートが届きますが、これはよく考えるとおかしな話です。例えば、法律改正に賛成ですか反対ですかと聞かれたら、多くの国民はまず、どの法律ですかと問い返すはずです。憲法改正については、どの条文をどのように変えるのかということを問うレベルまで解像度を高める必要がまずあると思います。それが無用な不安を払拭することにもつながると思いますので、メディアの協力も求めたいと思います。  特に、大規模災害の発生などで選挙実施が困難になったときに選挙期日を延期し議員任期を延長することについての手続を定めることについては、多くの国民が理解を示してくれると思います。参議院で議論が行われている合区の解消についても、理解が得やすいと思います。大規模災害時に議員任期を延長したり合区を解消したりといったいわば民主主義の基盤を成す選挙制度に関わる論点については、イデオロギーを排して合意が得やすい分野の一つだと考えます。ゆえに、衆参の憲法審査会で集中的、優先的に議論すべきだと考えます。  特に、高市総理がおっしゃるように来年の自民党党大会までに発議のめどを立てるのであれば、秋の臨時国会で国会法に基づく憲法改正原案の国会提出をしておかないと間に合わないと思います。与党の中でさえ意見の分かれる九条改憲ではなくて、議員任期の延長や合区の解消といった民主主義の基盤を整える憲法改正にテーマを絞るべきだと考えます。  なお、緊急政令について、前回も自民党から提起がありましたけれども、これはもう何度も議論されてきた論点であります。それを踏まえて旧五会派案は作られています。もし来年発議に持っていきたいのであれば、この五会派案から論点を広げるべきではないと考えます。参議院の緊急集会の射程やオンライン国会をどこまで認めるのかで、対となる緊急政令の必要性も規定されてきます。いついかなるときも国会が機能する体制を整えていれば、緊急政令は不要となります。  そして、議員任期の延長など民主主義の基盤に関するテーマに関して国民の理解を得るためには、野党第一党である中道改革連合の果たす役割が大きいと考えます。というのも、各国の例を見ても、与野党が合意できた改憲案には国民も安心して国民投票で賛成の意を示すことができるからです。  中道改革連合の皆さんの中にも、与党として二〇一一年の東日本大震災を経験した方が多いと思います。あのとき、三月十一日に発災して、翌四月の統一自治体選挙ができませんでした。なぜなら、選管の職員の方、家族の方にも被災して亡くなられた方が多数いたからです。地方議会と首長の任期は法律で決まっているので、法改正して任期を延長することができました。ただ、あのときも、一回では足らず、二回延長しました。これは泉さんも当時政務官か何かで覚えておられると思います。  また、二〇二三年の二月二十二日に立憲民主党の泉代表時代の次の内閣で了承された中間報告を見ても、当時の立憲民主党も選挙困難事態を否定していません。また、緊急集会の位置づけやその射程について、必要であれば憲法に明記することも検討すると明記されていました。  他方、当時の憲法審査会の立憲の筆頭幹事であった逢坂幹事や立憲の参議院議員の先生からは、参議院の緊急集会で基本的に何でもできると、私の言うスーパー緊急集会を認めるような考え方が示されましたけれども、この点について、前回もお伺いしましたが、中道改革連合としてどうお考えになっているのか。具体的に言うと、参議院の緊急集会は、これは七十日きっちりでなくていいんですが、七十日を大幅に超える期間も対応が可能だと考えているのか、そして、憲法上は衆議院の優越が認められる当初予算の審議なども取り扱えると考えているのか、この点についての考えをまた教えていただければと思います。  私たちは、参議院の緊急集会の射程はあくまで一時的、限定的、暫定的であって、解釈によってこの緊急集会の権限や射程を拡大するのは、一部のリベラルの皆さんが恐れている解釈による権力の濫用につながる可能性があるので、反対であります。必要なことは憲法に明記すべきではないかと思います。七十日を大幅に超えて長期に選挙実施が困難な場合には、やはり、憲法の求める衆参同時活動の原則に戻り、選挙期日を延期し議員任期を延長する憲法改正を行う方が立憲主義的であると考えます。  もう一点、議論を整理するために中道改革連合の皆さんに伺いたいのは、二〇二三年に当審査会に参考人としてお越しいただいた長谷部恭男先生が主張する、大規模災害が発生した場合には選挙が可能となった地域から順次繰延べ投票を行って当選者を決めていけばいい、そして、それが三分の一以上の議員に達して選出されたら定足数を満たすという考えに同意するのかどうかも併せてお伺いしたいと思います。  例えば、南海トラフ地震が発生して、四国、近畿、東海、九州ブロックの各府県で選挙ができないけれどもほかの地域ではできる場合に、その選挙結果が、全国民を代表する選挙としての正統性があるのか。私はとても選挙の一体性が確保されているとは思えませんので、この繰延べ投票についての中道改革連合の御意見を伺いたいと思います。  以上です。

009 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 今、玉木委員から幾つか具体的な御質問がございましたけれども、既に時間が経過しておりますので、改めてその場をつくるということで対応したいと思います。  次に、和田政宗君。

010 和田政宗
参政党

○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。  緊急事態条項について、参政党の意見を申し述べます。  まず、緊急事態が発生して適正な選挙執行が行えなくなった場合に、選挙期日を延期し、それに伴って議員任期も延長することについて、先週の憲法審査会において、自民党筆頭幹事から、自民党を含め五会派から賛同を得られているとお話がありました。  さらに、適正な選挙実施が困難な状態についての判断要素として、まず、日本全国で一斉に行われるべき国政選挙の一体性が害されるほどの広範な地域で選挙の適正実施が困難であるという広範性の要件、そして、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期性の要件を挙げられました。  これについて、参政党の意見を申し述べます。  議員任期の延長を規定する憲法改正については、有事や大災害等に国家としてしっかりと対応できる憲法とする本質論の憲法改正でなく、憲法を改正することを目的に、これならやれるというところから入っているのではないかとの疑問を持っています。  衆議院解散後の大災害や、参議院議員選挙も同日に行われる衆参同日選を控えた中での大災害により選挙の実施が困難であっても、参議院議員の半数、百二十四人は国会議員として存在し、緊急集会も開くことができます。緊急集会でどこまで決めることができるのかの整理を含め、議員任期の延長が必要なのかどうかについては、憲法全体を見直す中でその必要性を議論すべきではないでしょうか。このような議員任期の延長といった各論では、つけ焼き刃的改正であり、真に有事や大災害等に国家として対応できる憲法とはならないのではないかと考えます。  次に、緊急政令と緊急財政処分についてですが、自民党筆頭幹事は、国会議員の任期延長などの措置を講じてもなお国会機能が維持できない事態、すなわち、国会を開くことができない、議員が参集できないといった事態において一時的に法律や予算と同様の効力を有する緊急政令の制定権や緊急財政処分の権限を内閣に付与するものと定義しました。  まず、国会を開くことができない、参集できないといった事態について考えます。  これらの論は、過去の大日本帝国憲法下の関東大震災時のような状況を想定していると考えますが、関東大震災時は、帝国議会が開会されたのは震災の発災から三か月後で、その間、大日本帝国憲法に基づき緊急勅令が発せられ、緊急財政処分も行われました。  しかし、国会を開くことができるか、参集できるかどうかについては、国会のバックアップ機能や代替機能を東京とは別の場所に置くことで解決できます。  歴史上、南海トラフ巨大地震と首都直下地震が近接して起きたことがあり、これは起きてほしくはありませんが、もし起きた場合には、東京に大きな被害が出て、国会議事堂に参集することが困難な事態が起きる可能性があります。  しかし、別の都市で国会を開会できるようにしておけば、そちらに参集することが可能です。南海トラフ地震の影響を受けるプレートとは別のプレートに乗っている仙台であったり札幌といった都市に国会の代替機能を置けば、参集ができ、国会の開催が可能です。そうなれば、参議院の緊急集会が開け、国会における決定ができるのに内閣が緊急政令や緊急財政処分を行う必要があるのかということになります。  あらゆる国家の緊急事態に対応できるようにするというのであれば、やはり、憲法九条を含め、いついかなるときも国家国民を守ることができる、根本的な憲法改正の議論を行うべきです。  また、大日本帝国憲法において緊急勅令や緊急財政処分は条文に規定されていましたが、GHQ草案を基にした現行憲法では条文に規定されていません。これは、大陸法的憲法であった大日本帝国憲法が、GHQ占領下において英米法的憲法に変えられてしまったからです。  このような状況からも、憲法の根本改正、日本国民の手で憲法を一から作り直す創憲が必要であり、真に国家国民を守るための憲法とする中で緊急政令や緊急財政処分については議論をすべきです。  そして、これら緊急事態条項の範囲について、自民党筆頭幹事より、大規模自然災害に加え、テロ・内乱、感染症蔓延、国家有事・安全保障を含めた四つの事態と、その他これらに匹敵する事態と述べられました。  緊急事態条項の範囲については、参政党として繰り返し意見を申し述べておりますが、感染症の蔓延、パンデミックが含まれる緊急事態条項創設に反対します。感染症の蔓延の定義自体が曖昧であり、国際機関が世界全体でパンデミックであると指定した場合、それを受け、緊急事態条項に基づいた行動を内閣は取ろうとするのでしょうか。  これも繰り返し述べてきましたが、昨年、米国ホワイトハウスは、新型コロナウイルスの起源について、武漢の研究所からの漏えいが最も可能性が高いとの見解を公表しました。もし人工でウイルスが作られ、PCR検査で陽性者を増やすということでパンデミックによる緊急事態が演出できるとなれば、人為的に国民の権利を制限することが可能になってしまいます。ですから、参政党は、感染症の蔓延が含まれる緊急事態条項の創設に反対をいたします。  これら参政党の考えについて、自民党筆頭幹事より考えの提起がありました。これにつきましては、党内で整理をして、改めて意見表明をいたします。  参政党は、真に国家国民を守る憲法とするための根本的な議論の中で緊急事態条項についても議論がなされるべきと考えています。  以上です。

011 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、古川あおい君。

012 古川あおい
チームみらい

○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。  本日も発言の機会をいただき、ありがとうございます。  本日は、大きく三点申し上げたいと思います。  まず一点目、緊急事態条項の議論の進め方についてでございます。  前回、四月十六日の審査会におきまして、複数の会派から、具体的に論点を絞って集中的な討議を行うべきだとの御提案があり、本日は集中的な討議という形で開催がされました。このように論点を絞って議論を行うということについては、チームみらいも賛成しております。  また、前回の審査会におきまして、玉木委員からは、衆議院の法制局からこれまでの各党の議論を論点ごとに説明していただいてはどうかという提案もございました。これまでの議論を共有することは会派の枠を超えて目線を合わせるために有効な進め方であり、チームみらいといたしましても賛同いたします。  その上で、一点申し添えます。  前回御整理いただいた幾つかの論点、例えば、裁判所の関与の在り方や任期延長期間の上限、解散後の議員の身分の復活といった諸論点は、いずれも極めて重要な論点ではございますが、これらはいずれも制度設計の各論に関わる論点だと認識しております。  チームみらいといたしましては、こうした制度設計の各論について議論するに当たり、そもそも、繰延べ投票や参議院の緊急集会では対応できず、議員任期延長のための憲法改正が必要となる事態について、その整理を丁寧に行うべきではないかと考えるところでございます。  具体的には、大規模な自然災害、感染症の蔓延、安全保障上の危機といった想定される各事態におきまして、選挙の実施や国会機能の維持にどのような課題が生じるのか、そしてその課題が、現行の制度、すなわち繰延べ投票や緊急集会の運用では対応できないものなのかどうか、それぞれのケースに即して具体的に整理していくという作業であると考えております。  この点に関しまして、前回、玉木委員から、緊急集会の権能について、参議院で整理が進んでいる、緊急集会は案件や期間共に限定されないという考え方と、衆議院側の五会派合意、議員任期延長の憲法改正が必要とされてきた経緯との間のそごについて、自民党全体としてどのような整理になっているのかとの質問がございました。また、中道改革連合に対しては、繰延べ投票で対応できると考えるのか、それとも議員任期延長の憲法改正が必要と考えるのか、現時点での立場を問う御質問がございました。  これらはいずれも、まさに立法事実レベルの整理そのものに関わる論点であると私どもとしては受け止めております。制度設計の各論に入る前提としてこういった論点の整理がまず必要であるという認識を改めてこの場で共有させていただきたいと思います。  二点目といたしまして、本日の議論の範囲について申し上げます。  本日のテーマは、幹事会におきまして、緊急事態条項に関する集中的な討議と整理されたものでございます。  しかしながら、前回、四月十六日の議論を改めて振り返ってみますと、緊急事態条項の中でもどの論点に絞って討議を進めるかにおきまして、改憲に前向きな会派の間におきましても一定の温度差があったように見受けられます。  具体的に申し上げますと、国民民主党の玉木委員、浅野委員からは、選挙困難事態における国会機能維持条項に論点を絞って集中討議を行うべきだとの御提案であったのに対し、自由民主党の委員からは、緊急政令、緊急財産処分も含めた緊急事態条項全般についての集中討議という形での提案でございました。また、日本維新の会からは、緊急事態条項と九条という二項目についてそれぞれ集中討議を行うべきだとの御提案もございました。  このように論点の絞り方に差がある中で、本日、緊急事態条項の全般に関わるくくりで議論を始めますと、任期延長、緊急政令、緊急財産処分といった各論点が並列的に語られることになり、結局、どの論点もピン留めされないまま時間が経過してしまう懸念がございます。  チームみらいといたしましては、まずは選挙困難事態における国会機能の維持に論点を絞って議論を始めるのが現実的な進め方ではないかと考えております。この論点につきましては、前回触れられましたとおり、五会派においておおむね方向性が一致し、骨子案となる検討課題が示されるところまで議論が積み上げられてきたと承知をしております。そうした過去の蓄積がある論点であるからこそ、まずはここに焦点を絞り、立法事実の整理から段階を踏んで議論を進めていくことが、結果として議論を着実に前進させることにつながるのではないかと考えるところでございます。  三点目として、国民投票法についても簡潔に申し上げたいと思います。  前回も申し上げましたとおり、チームみらいとしては、国民投票法の議論についても、この審査会において一定の時間を確保していただきたいと考えております。  前回の審査会におきましても、中道改革連合の泉委員からは、公職選挙法において既に改正されている投票環境の向上に係るいわゆる三項目の改正について各会派で合意を形成することに加え、放送CM、ネットCMに係る議論について積み残すことなく一定の結論を得る旨が同時に何らかの形で担保されることを条件に議論を前に進めたいとの提案がございました。また、国民民主党の浅野委員からは、令和三年改正時の附則に定められた検討事項、すなわち、有料広告の制限、国民投票運動に係る資金規制、インターネット利用の適正化について、いつまでも検討中のままでよいはずがないとして、早急に一定の方向性を定め、法改正に進むべきだとの意見もございました。  チームみらいとしましても、両委員の御指摘に賛同いたします。  投票環境向上に係る三項目の改正と附則第四条に係る実質的な検討など国民投票法の議論も進めていくということを改めて提案させていただきたいと思います。  以上三点申し上げてまいりました。立法事実の整理というものは、会派を超えて共有し得る、議論の土台となるものと考えております。選挙困難事態における国会機能の維持をめぐる議論につきましても、国民投票法をめぐる議論につきましても、共通の議論の土台づくりから丁寧に進めていくことで建設的な議論に貢献してまいりたいと思います。  ありがとうございました。

013 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、畑野君枝君。

014 畑野君枝
日本共産党

○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。  緊急事態条項について意見を述べます。  前回の審査会で自民党の委員から、緊急政令や緊急財政処分の規定が必要だという主張がありました。その内容は、内閣が戦争や大規模災害などを理由に緊急事態だと宣言すれば、法律と同一の効力を有する政令を制定し、予算を執行できるというものです。  日本国憲法は、国会を唯一の立法機関と定め、財政の処分は国会の議決を経ることを義務づけています。緊急事態条項は、国会の権能を奪って内閣に権力を集中させ、国民の基本的人権の制限を可能にする、まさに憲法停止条項です。こうした規定は歴史の教訓に逆行するものです。  戦前、大日本帝国憲法は、いわゆる緊急事態条項である緊急勅令、戒厳、非常大権、そして緊急財政処分などを規定し、行政に強大な権限を認めていました。その下で、百本以上の緊急勅令が出され、国民の運動を弾圧し、議会が否決した法律を通すために濫用されました。例えば、治安維持法の最高刑に死刑を導入する法案を議会が廃案にしたにもかかわらず、緊急勅令によって強行したのです。こうして戦争に反対する人々を弾圧し、戦争へと突き進んだのです。この痛苦の反省から、日本国憲法に緊急事態条項を盛り込まなかったのです。  一九四六年、衆議院の帝国憲法改正案委員会で当時の金森徳次郎国務大臣は、民主政治を徹底させて国民の権利を十分に擁護するためには、政府の一存で行う処置は極力防止しなければならない、非常という道を残せば、国民の権利を制限し破壊する口実を政府に与えてしまう危険があるということを述べています。  当時の内閣が国民に向けて発行した「新憲法の解説」でも、緊急勅令、緊急財政処分等の制度は濫用されやすく、議会及び国民の意志を無視して国政が行われる危険が多分にあったとして、新憲法はあくまでも民主政治の本義に徹し、国会中心主義の建前から、臨時の必要が起これば必ずその都度国会の臨時会を召集し、又は参議院の緊急集会を求めて、立憲的に万事を措置するの方針を取っていると説明しています。  日本国憲法は、いついかなる場合でも国民主権に基づく議会制民主主義の徹底を要請し、政府の独裁を排除しているのです。  衆議院の解散や任期満了時に大規模な災害や感染症の蔓延が起きたらどうするのだという意見も出ていますが、憲法の規定に基づき、参議院の緊急集会で対応すべき問題です。  そもそも、これまで戦後八十年以上、東日本大震災でもコロナの蔓延でも、緊急事態条項がなければ対応できなかったという事態は起きていません。これまでの審査会の議事録を読みましたが、参考人からも、想定外の上に想定外を重ねて議論すること自体が極めて危険だという指摘が出ています。  例えば、高橋和之東京大学名誉教授は、極端な事例を出せば出すほど、権限をどこかに大幅に移譲する以外に解決の方法はなくなっていく、極端な事例を出して議論をやると間違う危険が強いと鋭く指摘しています。極めて重要な指摘だと思います。  それにもかかわらず、なぜ今自民党は緊急事態条項の創設を主張するのでしょうか。それは、これが戦争する国づくりと一体のものだからにほかなりません。これまでの審査会でも、ロシアのウクライナ侵略などを挙げ、戦争を想定して緊急事態条項が必要だという主張がされています。さらに、今、自民党などは憲法九条改憲を声高に主張しています。  憲法の平和主義を踏みにじり、戦争を遂行する体制づくりの改憲は絶対に認められません。今、国民からは、改憲反対、九条守れの声が大きく上がっています。四月十九日にも、全国百六十か所以上で改憲に反対するアクションが行われました。国会前には三万六千人もの市民が集まり、会を重ねるごとにその数は増えています。この声に向き合うべきです。  私たち国会議員に求められているのは、改憲のための議論ではなく、憲法を政治に生かすための議論だということを繰り返し主張して、発言を終わります。     ―――――――――――――

015 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、委員各位による発言に入ります。  発言を希望される委員は、お手元にある名札をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。  発言は自席から着席のままで結構でございます。  なお、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。  発言が終わりましたら、名札を戻していただくようお願いいたします。  また、幹事会の協議に基づき、発言時間は五分以内といたします。質問を行う場合、発言時間は答弁時間を含めて五分以内といたしますので、御留意願います。  発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。  それでは、発言を希望される委員は、名札をお立てください。

016 鈴木英敬
自由民主党・無所属の会

○鈴木(英)委員 自由民主党の鈴木英敬です。  本日は、これまでの審査会において議論が深められてきた緊急事態条項について、諸外国の制度やその状況を御紹介をいたします。  ケネス・盛・マッケルウェイン教授の諸外国憲法の統計的な分析によれば、緊急事態条項を規定している憲法は一九五〇年代から増加をし、二〇二〇年時点では世界の憲法の九一%に上るとされています。また、西修駒沢大学名誉教授の調査によれば、諸外国において緊急事態条項が設けられている憲法は百八十九か国中百八十四か国、九七・四%であり、さらに、一九九〇年二月から二〇二〇年十一月までに新しく制定された百五か国の憲法には全て緊急事態条項が設けられているとされています。  このように、ほとんどの諸外国憲法には緊急事態条項が設けられています。諸外国の事例は、我が国とは歴史的経緯や国の政治体制、国柄が異なる場合もあり、直ちにそのまま取り入れられるものではありませんが、しかし、制度の検討に当たり参考となるものもあるのではないでしょうか。  まず、議員任期延長などの議会機能維持の事例について述べます。  国会図書館の資料によれば、OECD三十八か国のうち二十三か国、六一%に緊急事態の宣言を発動要件とする宣言型の緊急事態条項があり、この二十三か国のうち十二か国が議員任期延長について規定を有するとされています。例えば、ドイツ基本法では、武力攻撃に対処するための防衛事態の下における連邦議会議員の任期の延長や、連邦議会の解散の禁止が規定されています。  このような諸外国における議会機能維持の制度の詳細については、後の我が党の同僚議員からの発言に譲りたいと思います。  続いて、緊急政令のように、緊急時に国会の立法機能を内閣に代行させる仕組みも多くの国にあります。  例えば、先ほどの国会図書館の資料によれば、宣言型の緊急事態条項がある二十三か国のうち七か国に緊急命令に関する規定があるとされています。こうした緊急命令を定める国は、議会の承認等を得られない場合の失効規定や議会による廃止も定めるなど、民主的統制が担保されている例が多いとされています。  続いて、諸外国における、実際に緊急事態条項を発動した事例を述べます。  まず、イタリアでは、憲法に、緊急の必要がある非常の場合には、政府がその責任において法律の効力を有する暫定措置を取ることができる旨の規定が置かれています。コロナ禍においては、感染拡大を受け、この規定に基づき、罰則つきの移動制限を含む国民等の活動制限や家庭等に対する支援、医療体制の強化を内容とする緊急法律命令が制定されました。  次に、フランスでは、憲法上の緊急事態条項として、大統領の非常措置権と戒厳が規定されています。このうち大統領の非常措置権は、一九六一年のアルジェリア独立戦争の際にこれに対処するために発動されましたが、これが憲法上の緊急事態条項の唯一の発動事例です。なお、二〇一五年パリ同時テロなどの緊急事態においては、法律上の緊急事態条項によって対応が行われております。  以上、諸外国憲法における緊急事態条項について紹介しました。  なお、欧州評議会の諮問機関であるベニス委員会が二〇二〇年に公表した報告書においては、緊急事態では憲法の基本原則に制約を課すことが通例であることから、緊急事態に関する基本的な規定は憲法に盛り込まれるべきであるとされています。こうした諸外国の知見に学ぶところも多いのではないでしょうか。  本日の各会派からの御意見からも分かるように、緊急事態条項についての議論は既に大いに深まっております。新藤筆頭幹事が冒頭の発言の最後におっしゃった、緊急事態条項に関する議論のピン留めとして何らかの具体的なイメージを次回の審査会で明らかにするとの御提案に賛同いたします。是非、筆頭間、幹事間で詰めていただくようお願い申し上げまして、私の発言を終わります。

017 河西宏一
中道改革連合・無所属

○河西委員 中道改革連合・無所属の河西宏一です。  本日は、緊急政令、緊急財政処分に関して意見を申し上げます。  まず、前提となる概念整理について、私が令和六年五月九日の当審査会で申し上げた点を改めて確認をさせていただきます。  近時の学説では、緊急事態の概念について精緻な議論が行われており、早稲田大学の愛敬浩二教授は、平時の統治機構をもってしては対処できない程度のものを非常事態と分類する一方、緊急事態は、平時の法制度、法運用とは異なる対応を必要とする概念を広く含むと整理をされております。特別な立法や法運用が行われても、平時の統治機構の下で立憲的統制が十分に機能するのであれば、それは緊急事態ではあっても非常事態ではないとの御指摘であります。  また、東北大学の奥村公輔教授は、非常事態を、戦争、内乱、恐慌、大規模自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない事態、緊急事態を、テロの多発や感染症の蔓延など、平時の統治機構をもって対処できる事態と整理をされております。  両先生に若干の差はあるものの、いずれも、平時の統治機構による対処が可能か否かを基準に両者を区別しておられます。この整理に照らせば、当審査会で議論してきた選挙困難事態は、平時の統治機構をもって対処可能であり、立憲的な憲法秩序を維持しながら対応すべき緊急事態の一つとして位置づけられます。したがって、議員任期延長は、行政監視機能を確保し、人権保障と権力分立、すなわち立憲的憲法秩序の維持に資するものと整理できます。  他方、緊急政令や緊急財政処分は、議員任期を延長してもなお国会の立法機能維持が困難で、平時の統治機構では対処不可能ないわゆる非常事態を念頭に議論されるべき事柄であります。論点の次元が異なる以上、やはり議員任期延長とは区別して発議すべきであります。国会法六十八条の三及び憲法改正国民投票法四十七条の趣旨、すなわち個別発議の原則にも合致する考え方であります。  この点について、緊急政令や緊急財政処分も、一旦憲法上に位置づけてしまえば緊急事態条項であるという整理も可能ですが、たとえ実定法に位置づけたとしても、十分な民主的統制が確保されないままであれば濫用の可能性は残るのであって、その実質においては非常事態的なものと言うべきです。  その上で、緊急政令、緊急財政処分そのものに関する基本的見解を五点申し上げます。  第一に、憲法で内閣に白紙委任的な緊急政令制定権、緊急財政処分権を認めることは、国の唯一の立法機関たる国会の責任放棄につながりかねず、認めるべきではありません。憲法四十一条の国の唯一の立法機関との規定及び八十三条以下の財政民主主義規定は国民主権の理念を体現するものであり、その例外を設けるには極めて慎重でなければなりません。  第二に、我が国の危機管理法制は相当程度整備されております。例えば、災害対策基本法百九条及び百九条の二では、生活必需品の譲渡制限、価格統制、金銭債務支払い延期、海外支援の受入れについて緊急政令規定が整備されています。さらに、災害救助法七条、八条の従事命令等を始め、新型インフルエンザ等対策特別措置法、武力攻撃事態等対処法、国民保護法、自衛隊法、警察法等において、各事態における危機管理のために必要な規定が設けられています。  第三に、対応の基軸は、個別法による具体的政令委任の整備充実及び予備費の活用に置くべきであります。一九六二年の災害対策基本法改正時の参考人質疑において、東京大学の小林直樹先生や一橋大学の田上穣治先生は、要件及び委任事項の限定、国会の事後承認という暫定性を理由に、当該規定が憲法四十一条に反しないと述べておられます。災害、感染症、武力攻撃、テロと、事態の性質が多様である以上、政令委任事項で憲法であらかじめ限定列挙することは困難で、個別法制での対応こそが現実的かつ立憲的であります。  第四に、仮に憲法に規定するとしても、四十一条の例外規定ではなく、内閣は、あらかじめ法律の定めるところにより、当該法律で定める事項に係る政令を制定し又は財政上の支出その他処分を行うことができる旨の確認規定にとどめるべきであります。  第五に、繰り返しですが、緊急政令、緊急財政処分は、議員任期延長とは異なる次元の論点であり、個別発議の原則に照らして別個に検討、発議されるべきであります。  以上を踏まえまして、我が党においては、選挙困難事態を想定した議員任期延長に加え、臨時国会の召集期限、解散権の制約といった、いずれも国会機能維持を目的とした包括的テーマに沿って建設的な議論に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。

018 阿部圭史
日本維新の会

○阿部(圭)委員 日本維新の会の阿部圭史です。  前回の私の発言で、緊急事態条項について集中討議を行うべきことを申し述べました。まさにそのような形になりましたことにつきまして、古屋会長と幹事の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。  本日の憲法審査会の冒頭の御発言で、新藤筆頭幹事から、今までの議論をピン留めし、緊急事態条項に関する具体的なイメージを作ってはどうかという趣旨の御提案がございました。御提案に深く賛同するものであります。与党筆頭幹事からの憲法改正に向けた具体的なアクションにつながる御発言は非常に心強く、心から歓迎をいたします。  政治家の仕事は決めることです。議論をピン留めし、一定の結論を出し、社会を前に進める、これこそが真の政治家だと思います。本審査会のこれまでの議論において約六割の議論が緊急事態条項で占められており、論点は出尽くしました。いよいよ取りまとめるときが来ました。  古屋会長と新藤筆頭幹事へのお願いでございます。本日の集中討議をまとめ、衆議院憲法審査会が到達した現時点版として具体的な形にして次回共有していただきたいと思います。次回以降に緊急事態条項に関する取りまとめ作業を行うことを私からも提案したいと思います。  また、NHK中継について私からも提案したいと思います。  これは、かつては議席を有していた立憲民主党議員からも賛同する旨の発言がございまして、我々も含めて主要会派は皆賛同しております。  NHK中継について、幹事会にはNHKからの返答があったと理解しておりますが、この平場でも、今、衆議院法制局又は憲法審査会事務局より共有していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、緊急事態条項の……

019 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 阿部委員、今、質問でよろしいですか。

020 阿部圭史
日本維新の会

○阿部(圭)委員 質問です。今答えていただけますか。

021 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 じゃ、一旦質問を止めていただいて、答弁いただきます。

022 橘幸信

○橘法制局参事 阿部先生、御質問ありがとうございます。  運営に係る事項ですので、吉澤憲法審査会事務局長のお許しをいただいて、便宜、私の方から御答弁申し上げます。  NHKによる国会中継に関する直近の検討の経緯と結果についてでございますけれども、令和六年十二月十三日、幹事会において馬場幹事よりNHKに中継を申し入れるべきとの御発言があり、憲法審査会事務局がNHKからヒアリングをいたしました。翌年一月、憲法審査会事務局がNHKの担当者から、国会中継の基本的な考え方について次のような御教示をいただきました。  NHKとして国会中継に関する明確な基準は設けていないが、現在まで、国会中継、国会審議の類型としておおむね四つの類型がある。一つ、施政方針演説や所信表明演説及びそれらに対する代表質問、二つ、予算委員会の基本的質疑一巡目、三つ、予算委員会の集中審議で特に国民の関心が高いもの、例えば総理出席、各会派一巡の質疑を行うなど、これら三つの類型以外にその他として、国民の関心が高いテーマであり、かつ、理事会等から全会一致での要請があることなどを総合的に勘案するということでございました。  我が憲法審査会に連なる憲法調査特別委員会当時、平成十八年十月二十六日の憲法改正国民投票法の趣旨説明と質疑、これが総理出席などなくして中継されているところでございます。  そのようなことを踏まえて、NHKとしては、当時、現状では憲法審査会に対する国民の関心は通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない、そのような御認識が表明されたものと伺っております。  それが幹事懇談会に報告され、当時の枝野会長より、国民の関心が高まるよう憲法審査会で議論を重ねよう、NHKへの中継要請は改めて幹事会で協議することとしたいという形で収まったものと承知しております。  以上です。

023 阿部圭史
日本維新の会

○阿部(圭)委員 ありがとうございます。

024 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 じゃ、残余の時間については、本当に時間はありませんが、阿部委員からお願いします。

025 阿部圭史
日本維新の会

○阿部(圭)委員 ありがとうございます。  NHKの認識も今やもう変わったものだというふうに認識をしております。まさにこの国会においては憲法改正に焦点が当たってきているということでございますので、是非また幹事会でも御議論いただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  先ほど中道改革連合の委員から御説明がございましたとおり、緊急事態条項に関する護憲派の方々の主張について、緊急事態と非常事態の違い、この混同について指摘をしたいと思います。  まさに緊急事態と非常事態というのは全く異なる概念でございまして、緊急事態条項とは緊急事態に際して用いられるものである一方、非常事態に対しては国家緊急権という不文の法理に関する概念が用いられます。そこの概念の違いについてしっかりと御認識をいただいた上で緊急事態条項についてしっかりと進めていきたい、そのように思っている次第でございます。  私からは以上です。

026 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、玉木雄一郎君。先ほど冒頭発言がございましたが、特例として発言を認めます。

027 玉木雄一郎
国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。  今日の議論を聞いていても、例えば、先ほど鈴木英敬委員からもありましたけれども、ケネス・マッケルウェイン先生の話は二〇二二年の当審査会で私からも紹介していますし、かつ、緊急政令に関して、今中道改革連合からもありましたけれども、書き方は二つあって、緊急政令を書く場合、確認事項として書くということと、一般的に緊急政令として議会を開くいとまがないときには書くという、これはもうずっと行われてきた議論です。  その結果を踏まえて五会派の一定の結論に至っているので、議論の重複を避けるためにも、前回提案しましたが、橘法制局特別参与に、これまでの各党の議論、これは先ほど古川委員からも賛同いただきましたけれども、それをまず御説明いただいて、これまでどういう議論を各党が言って、その結果どうまとまってきたのかということをきちんと共有した上でその先の議論をした方が非常に建設的で生産的かなと思いますので、改めてこのことを提案をいたしたいと思います。  その上で、改めて問いますけれども、これも以前やっていますが、オンライン国会、憲法五十六条の「出席」の概念は、この審査会でも一回整理して議長にも申入れをしました。ただ、議運でまだその対応が十分なされていないのは残念なんですけれども。ただ、物理的に開けないということに対しては、この「出席」の概念を変えることによって一定程度対応できるんじゃないかとなっています。  緊急集会の、参議院の半数いる方がどこまでやるのかということは幅がありますけれども、一定程度できるということになった際に、真に緊急政令で必要な事態というのは一体どういうときなのか、オンライン国会も開けないというようなときというのは一体どういうときなのかという、先ほどの憲法事実、立法事実を詰めて考える必要があると思うので、ここはやはり反対論が多いので、緊急政令と全体が駄目になって進まなくなるということを恐れるんです。  だから、自民党で緊急政令と言うのであれば、それはどういう場合なのか、オンライン国会が認められてなおできない事態というのは、立法府が機能せずに行政権だけに委ねるというのはどういうときなのかということを具体的に御説明いただければ、プラスの生産的な議論につながると思うんですが、そこをもしお答えがあれば聞かせていただきたいと思います。

028 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 今の質問、あるいは幾つかの具体的な質問や提案もございましたので、幹事会で協議の上、改めて対応を決定をさせていただきます。

029 玉木雄一郎
国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 よろしくお願いします。  あと、NHKの中継は是非進めるように改めてお願いします。  以上です。

030 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 その提案もございましたので、そこも含めという意味でございます。

031 棚橋泰文
自由民主党・無所属の会

○棚橋委員 自由民主党・無所属の会の棚橋泰文でございます。  本日は、緊急事態条項、特に私自身がある意味では当時非常に深く悩んだ緊急財政処分について申し上げたいと思います。  COVID―19、新型コロナ感染症はあれだけの被害を世界そして日本に及ぼし、日本においては、本当に多くの医療関係者、あるいは多くの方のいろいろな自粛等で苦労しながらも抑えていただき、また、残念なことに亡くなられた方もいらっしゃれば、まだ後遺症が残っている方もいらっしゃいますので、それぞれお悔やみとお見舞いを申し上げます。  このお話をするのは、私、令和二年ないし令和二年度、西暦でいいますと二〇二〇年から二〇二〇年度、衆議院の予算委員長を務めさせていただきまして、この通常国会では、一月に前年度の補正予算、その後、本予算、そして一次補正で、いわゆるワクチンの簡単に言うと手付金に充てる、新型コロナウイルス感染症に係る感染拡大防止策に要する経費その他の同感染症に係る緊急を要する経費以外には使用しないということではありましたが、十兆円の予備費を組んだ第二次補正予算でございまして、これが緊急性を持つということはある意味では与野党共に理解が得られていたと思っておりまして、この補正予算の審議は衆議院では八時間で終わらせていただき、参議院に送付をいたしました。  このときに皆が思っていたのは、スピードが遅れれば遅れるほど国民の生命に関わる、しかし一方で、今でも百兆を少し上回る予算で、当時、十兆円の予備費というのは、これは、財政民主主義という観点から、果たしていかに議会が決めていいか、また、憲法にはこの点についての何の制約もないけれども、十兆円、今申し上げた目的とはいえ、政府が使える補正の予算を組んでいいのかというのは、どこも悩んだことではないか。私もそうでしたが、それらを乗り切ってそういう形で進めたわけでございます。  この点については、衆議院が解散・総選挙となっておりませんでしたので審議ができ、また、審議も八時間、そして、基本的質疑においては全大臣出席のところを関係大臣のみ出席、最初から最後まで、そういうことで与野党で協力していただいて進めましたが、もし、あのとき衆議院が解散・総選挙になっていたらどうなるだろうと思うと、今でも背筋が寒い思いでございます。  参議院における憲法上の緊急集会でできるのかもしれませんが、できるのかもしれませんがというのは、私の浅い読み方では、そもそも衆議院に先議権がある予算を緊急集会でどのようにしていくのか。また、その後、衆議員が選ばれた中で、反対が多い場合、これが無効となる。そして、そのような予算の十兆円で、当時、残念なことに日本国内ではワクチンそれから治療薬がございませんでしたので、海外から買わざるを得ない中で、率直に言って奪い合いでございました。そんな中において、いかなるお金を出せるかというのが大きいわけですが、海外の企業がこの条項を読んだときに、参議院の緊急集会でプラスされてオーケーと出しても、衆議院で否決された場合、このお金が取消しになるのではないかという疑念を持たれれば日本には来ないわけです。  やはりこういった部分において、先ほどまさに玉木代表が、民主主義の基盤を整えるという部分と、それから国民の生命財産を守るという観点から、ここは残念なことにまだ欠けている部分、是非この部分を可及的速やかに詰めて進めていただきたい。  以上でございます。

032 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 次に、和田政宗君。先ほど代表で意見表明されましたが、特例として発言を認めます。

033 和田政宗
参政党

○和田(政)委員 参政党の和田政宗です。  特例として認めていただいたことに感謝を申し上げます。  発言を求めましたのは、各会派より今後の議論の進め方について意見がございましたので、参政党として改めて意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。  参政党は、憲法改正の議論につきましては、やはり、真に国家国民を守るための根本改正ということでありますので、緊急事態の議論と九条の議論、これはセットでないと真に国家国民を守る憲法の改正ということにならないのではないか、こういったことを改めて提起をしたいというふうに思っております。  二〇一八年に、私、憲法の根本改正について本を書きました。そのときに、国立国会図書館の協力を得て全世界の全憲法を調べました。先ほど鈴木英敬委員から、緊急事態条項がない国が幾つなのかというようなこと、そういったことのお話がありましたけれども、私が調べた上では、いざというときに国を守る組織も手段も憲法に記されていない国というのは、日本を含めて四か国という認識です。  なお、非武装のコスタリカやパナマのことをよく論議で挙げられる場合がありますけれども、コスタリカは、国防のため軍隊を組織できると憲法に規定されておりますし、パナマは、国家の独立及び国の領土を守るために武器を取ることが求められると。すなわち、侵略等が起きた場合にはこのように憲法の規定で対応できるようになっています。  一方、いざというときに国を守る組織も手段も憲法に明記をされていない国々を述べますと、まずニウエ、これは南太平洋の島から成る国でありまして、人口約二千人。次がクック諸島、これも南太平洋の島々から成る国で、人口が二万人。そしてモナコ、ヨーロッパの国でありますけれども、人口約四万人弱という国であります。次が日本になります。  すなわち、一定の人口と国土面積を持つ国で、いざというときに国を守る組織も手段も憲法に明記されていないというのは日本だけなんですね。ですので、我々は、根本的に真に国家国民を守るための憲法とすべき、その議論を行うべきだというふうに考えております。ですので、緊急事態条項と九条をセット、そして、それを含めて憲法の根本改正について議論すべきであるというふうに考えております。この点、申し述べたいというふうに思います。  また、NHKのテレビ中継については、参政党としてもしっかり求めたいというふうに思います。  以上です。

034 盛山正仁
自由民主党・無所属の会

○盛山委員 自由民主党の盛山正仁です。  御指名いただき、ありがとうございます。  本日集中討議が行われております緊急事態条項について発言をいたします。  先ほど鈴木幹事が御発言されたように、ドイツ基本法では、防衛事態の下における連邦議会議員の任期の延長や、連邦議会の解散の禁止が規定されています。スウェーデン、ポーランドでも、緊急時において議員の任期を延長するとともに、議会の解散を制限する規定があります。カナダでは、任期は原則五年ですが、戦争、侵略、反乱の場合に、三分の一を超える下院議員の反対がなければ、上下両院の議決により下院は五年を超えて継続できる旨の規定があります。フィンランドの基本法におきましては、日本と同様に議員任期は四年と明確に規定されていますが、次の選挙が実施されるまで現在の議員の任期が継続する旨の規定がございます。  このように、新たな議員が選出されるまで任期が継続する旨の規定は、イタリア、デンマーク等、比較的多くの国に存在しています。このような任期の定め方をすれば、議員が不在となることはなく、緊急時でも議会を機能させることができるということになります。  ギリシャの憲法では、戦争時の議会活動の継続規定があるほか、議会が解散されている場合には選挙の実施は戦争の終結まで延期され、それまでの間、解散された議会が当然に再招集されるという規定があります。この規定は、解散時でも緊急事態が生じれば議会活動を再開できることを規定しており、これまで本審査会で議論がなされた前議員の身分復活の制度と趣旨を同じくするものではないかと思料いたします。  憲法等の規定に基づき、実際に議員任期が延長されている例がございます。私は超党派の日本・ウクライナ議連の幹事長としてウクライナと御縁がございますが、ウクライナ憲法では、議員任期は五年と規定されていますが、同時に、戒厳終了後の選挙で構成される議会の開会時まで会期が延長され、その間は議員任期も延長される旨の規定があります。  御案内のとおり、令和四年二月二十四日にロシアがウクライナに侵略を開始し、ウクライナは直ちに戒厳を布告しております。本来であれば、最高会議、これは国会のことです、この議員選挙は翌二〇二三年十月に実施される予定でありましたが、先ほど述べた憲法等の規定により、現在に至るまで選挙は延期され、議員任期も延長されています。  このように、ウクライナでは、侵略後も安定的に本会議、委員会等を開催し、必要な予算、法律を制定する等、戦時であっても厳然と議会の機能を維持し続けております。  議会政治の母国であるイギリスは、我が国と同様に議院内閣制を採用しておりますが、下院議員の任期が延長されております。これは、第一次世界大戦の際、一九一四年から一八年にかけて四回任期が延長され、本来五年の任期が最終的には七年六か月となりました。第二次世界大戦の際には、一九四〇年から四四年にかけて五回任期が延長され、最終的には任期が十年に及んでおります。  以上、諸外国憲法における議会機能維持のための制度や議員任期が延長された事例について御紹介いたしました。多くの国において、議員任期の延長や、次の選挙の実施までの現在の議員の任期の継続、緊急時における解散禁止、選挙延期といった制度が整備されております。いかなる場合であっても議会の機能や活動を維持する規定を設けること、これは当然のことではないかと考えます。  私の選挙区である神戸では、三十一年前に阪神大震災が発生し、交通、通信が麻痺し、大変な大災害となりました。当時は知事からの要請なく自衛隊を出動できるという規定がなかったこと等、緊急時対応に遅れが生じました。そのような経験を踏まえ、その後、道路の啓開等も含め、もろもろの法制度の手当てがなされております。  問題点について認識されていないのであれば仕方がないことかもしれませんが、緊急時に何をなすべきか、ここにおられる議員を含め、明確に問題が認識されていると考えます。緊急時において超法規的な対応を取らざるを得ないということがないように、可能な限り速やかに憲法に必要な規定を設けることが私たちの責務ではないでしょうか。  会議は踊る、されど進まずということでは、私たち立法府が問題を認識しながら不作為を行っているという責めを負うものであると考えます。本日の冒頭で新藤筆頭幹事から御提案があったように、緊急事態条項に関する議論をピン留めして何らかの具体的なイメージを明らかにすることが最低限必要であり、我々の責務であることを述べ、新藤筆頭幹事の御提案に賛成の意を表明いたしまして、私の発言といたします。  ありがとうございました。

035 古屋圭司
自由民主党・無所属の会

○古屋会長 おおむね予定していた時間が経過いたしました。  これにて討議は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十三分散会